032 本当に虐められてないの?

簡単な身支度を済ませた後、近所の朝市に行って魚を買い、夏川清未のために魚のスープを作った。

小さな鍋でお粥を煮て、二品の冷菜を作り、全部保温容器に詰めて、急いで病院へ向かった。

***

「お母さん」病室に入ると、夏川清未はもう目を覚ましていた。

「漫」夏川清未は道乃漫を見るなり嬉しそうな表情を浮かべた。

昨夜こっそり見たばかりだったが、今、生きている夏川清未を目の前にして、その声を聞いて、道乃漫は思わず目が潤んでしまった。

夏川清未の顔色はまだ病的な蒼白さを残し、体も痩せていた。

でも少なくとも、生きている。

生きているだけでいい、生きていれば希望がある。

「どうしたの?なぜ泣いているの?」道乃漫の目が赤くなっているのを見て、夏川清未は慌てて病床から降りようとした。「道乃家で何か辛い目に遭ったの?」