このとき、多くの警備員も入り口に集まり、厳戒態勢を敷いていた。
ドアの小窓から、夏川清未はそれを見ることができた。
「いけない、見に行かなきゃ」夏川清未は点滴を打っている最中だったが、気になって仕方がなく、ベッドから降りて外に出ようとした。
柴田叔母は急いで彼女を止め、「行かないで、武田に任せましょう。あなたは今点滴中だし不便だわ。それに武田は男性だから、何かあっても対処しやすいでしょう」と言った。
柴田叔母は本当に夏川清未のことを気に入っていた。
普段、夏川清未が道乃漫と話すのを聞いていると、母娘二人の状況がとても厳しいことが分かった。特に夏川清未が入院してからは、すべての負担が道乃漫一人にかかっていた。
しかし、それでも母娘は決して背筋を曲げることなく、依然として生活の困難に立ち向かっていた。