084 足を引っ張る味方とは夏川清翔のことだ

「絶対に入れないわよ!」夏川清翔は冷笑いを浮かべた。「お金がなくなったの?今になって帰ってきて、頭を下げてお金が欲しいの?だめよ!そんなに強情を張れるものなら張ってみなさいよ!琪を騙した時はどれだけ偉そうだったの!ねぇ、何もない時は私たちを騙して、今お金がなくなったら、また私たちのことを思い出したの?言っておくけど、私は一銭も渡さないし、啓元にも渡させないわ!あなたの病気持ちの母親と一緒に死んじゃいなさいよ!」

「もう一度言ってみろ!」道乃漫の表情が一瞬で冷たくなった。

夏川清翔は思わず半歩後ずさりしたが、道乃漫がドアの外にいて何もできないことを思い出した。

不思議なことに、道乃漫はただ睨みつけただけなのに、なぜあんなに怖かったのだろう?

「ふん、言っておくけど、道乃家のお金は私と琪のものよ。今まであなたに給料を払っていたのは、施しだったのよ。あなたが使ったお金は全部琪のお金。これからは、私たちの家のお金なんて一銭も使わせないわよ!」夏川清翔はますます得意げになり、インターホンの画面越しに、道乃漫の冷たい表情を恐れとして捉えた。