「お水でも飲んでください」道乃漫は二人にそれぞれコップ一杯の水を渡した。「ずっとここで見張っていただいて申し訳ありません。水を飲むのも、トイレに行くのも、簡単には離れられないでしょう」
二人も確かに喉が渇いていたので、遠慮せずに水を受け取り、ごくごくと飲み干した。
道乃漫がもう一度水を注ごうとしたが、二人に止められ、もう十分だと言われた。
「お聞きしてもよろしいでしょうか。神崎若様は一体どういうおつもりなのでしょうか?」道乃漫は尋ねた。
周村成辉は首を振った。「私たちにもわかりません。神崎若様が見張るように言われたので、見張っているだけです。それ以上のことは一言も聞けません」
「わかりました」道乃漫は唇を噛んで言った。「私も強がって、あなたたちの助けは必要ないなんて言いません。今日のように、もしあなたたちがいなかったら、私は対処できなかったでしょう。だから、これからもここで見張っていただくことになりますが、よろしくお願いします」
「もちろん問題ありません」周村成辉はほっとしたように笑顔を見せた。「私たちの存在を知ったら、ここにいさせてくれなくなるんじゃないかと心配していました」
「そんな恩知らずじゃありません。自分の状況はよくわかっています」道乃漫は言った。「それなら今からは、隠れる必要はありませんから、病室の中に入られてはどうですか」
「いいえ、結構です」周村成辉は断った。「病室も狭いですし、私たちが入ると窮屈になってしまいます。ここに座っていれば、誰か来るのもすぐにわかります」
どう言っても中に入ろうとしないので、道乃漫はあきらめるしかなかった。
彼女が病室に戻ると、夏川清未は彼女が入ってくるのを見て尋ねた。「外にいる若い二人は誰なの?」
「私の友人の人たちです。父がまた面倒を起こすかもしれないので、見張りとして二人残してくれたんです」道乃漫は神崎卓礼を友人の範疇に入れるしかなかった。
「昨日の友人?」柴田叔母は興味深そうに尋ねた。
道乃漫は仕方なく頷いた。「はい」
夏川清未は柴田叔母に尋ねた。「柴田姉、会ったことあるの?」