092 知り合いなの?

午後、柴田叔母がトイレに行った隙に、道乃漫は夏川清未にこっそりと言った。「お母さん、柴田叔母さんはいつもお世話になってるし、明日退院だから、何か贈り物をしたいんだけど」

「そうね」夏川清未は大賛成で、「何か気持ちを表すべきね」

ただし、何を贈るかが問題となった。

彼女の病気のために、まだ神崎卓礼にお金を借りているし、余裕もない。

「でも、何を贈ればいいの?」夏川清未も困り果てた。

道乃漫は少し考えて、「じゃあ、私が帰って何かお菓子を作るのはどう?持ち運びも便利だし」

夏川清未もそれはいい考えだと思った。

道乃漫は家に帰って夏川清未の夕食を準備する際に、ついでに中華菓子も作り、周村成辉と篠崎汇人の分も多めに作った。

残念ながら道乃漫は知らなかったが、最近二人に用意した料理は全て神崎卓礼に横取りされており、今夜の菓子も例外ではなかった。