この頃、効果は上々で、確かにどの会社も道乃漫を採用しなかった!
彼は少し名の知れた規模のある会社に全て声をかけていた。この業界では、信頼できる会社はそう多くなく、信頼できない会社に道乃漫が行くはずもなかった。
彼が声をかけた会社は、道乃漫の履歴書を受け取った後、全て彼に報告していた。
道乃漫が就職先を見つけられず、どの会社にも断られ、彼女が恐怖に陥り、行き場を失っていることを考えると、道乃啓元は優越感に浸った。
これこそが彼の手腕であり、能力なのだ。
彼に逆らえば、道乃漫には良い結末は待っていない!
彼の娘として、大人しく言うことを聞くべきなのだ。
彼は道乃漫に教えてやりたかった。彼なしでは、彼女は何者でもないということを!
結局、収入源を失えば、夏川清未の治療費をどうやって工面するというのか。