朝焼けのように

【溺愛ラブストーリー・純愛1v1】
「私を引き取ってください。なんでもしますから！」

前世、義妹とクズ男に陥れられた彼女は、無実の罪で投獄される。
出所後に待っていたのは、実母の墓碑だけ。
幸せそうに暮らすクズ男と義妹、そして実父と継母の姿を見て、彼女は絶望の末、炎に包まれ、奴らを道連れに命を落とした。

——しかし次に目を覚ますと、すべてが始まるあの日に戻っていた。
迷わず窓から逃げ出し、隣家の男性の長い脚にしがみつく。
まさかその“長い脚の持ち主”が、前世では雲の上の存在だった超絶イケメン・神崎若様だったとは！

今度こそ、すべてを取り返す。目を光らせて、奪われたものを一つ残らず返してもらう。

「神崎若様、もう片方の脚も抱かせていただけますか？」
「他にも抱きしめてもいいものがあるが……試してみるか？」
「……っ」

「神崎若様、奥様の妹だと名乗る者が来ております。」
「追い返せ。」

「神崎若様、奥様が出演のドラマで、男性二番手が元カレだそうです。夫人は降板を希望しています。」
「資金を引き上げろ。撮影は中止だ。」

神崎さん、長年の想いを込めて

渡邉梨子は眉をひそめた。「あなたは道乃漫の父親だからって、私たちの部長とどんな関係があるんですか？予約もないし、部長に会う理由も言えないなら、私からは伝えられません」


この人、頭がおかしいんじゃないの？


自分が誰だと思ってるの？武田部長に会いたいって言えば会えると？


まさか彼女は「部長、道乃漫の父親だからって会いたがってる人がいるんですけど」なんて言うべきだと？


「伝言を頼んでるだけなのに、その態度は何だ！融通が利かない奴だな。神崎創映がこんな社員を雇うなんて、うちの会社なら即刻クビだ。いや、そもそも採用試験にも受からないレベルだ！」道乃啓元は声を荒げた。


渡邉梨子は呆れて笑ってしまった。「神崎創映のような大企業に入れたのに、あなたの会社なんか興味ありませんよ。誘われても行きませんから！」


081 与えなければ奪い、奪えなければ盗み、盗めなければ壊す