118 道乃漫を生かさない

道乃漫は視線を戻すと、ある考えが浮かんだ。

その時、社内メールに通知が届き、道乃漫がそれを開くと、全社員向けの通達だった。

警告書を受け取った者は全て、全社員向けのグループメールで通達されることになっていた。

今回の通達は、誰もが息を飲むほどのものだった。

社長秘書室全体で、葉月香音が一人で二通の警告書を受け取り、他の者は一通ずつ、大澤依乃も一通だった。

それだけではなく、リストの各名前の後ろには、警告書を受け取った理由も添付されていた。

秘書室のメンバーは、社長の命令を無視し、勝手に人を社長室に入れたためだった。

葉月香音は最も重大で、部外者と共謀して社内の同僚をいじめたとされていた。

今年中にもう一通警告書を受け取れば、葉月香音は解雇されることになる。

一方、大澤依乃は上下関係を無視し、勝手に社長に近づこうとし、社長と親しいと思い込んでいた。