「今月のボーナスは没収だ」神崎卓礼はペンを机の上に投げ捨てた。「私が不在の時に、こんな小物どもが道乃漫に無礼を働くなんて、お前の見本としての役割が不十分だったということだ。彼女の重要性を理解させられていない」
「はい」藤井天晴は急いで頷いた。「葉月香音の件はどう処理しましょうか?」
葉月香音は自分がバカなだけでなく、彼の一ヶ月分のボーナスまで失わせた。藤井天晴が彼女を許すはずがなかった。
「半年分のボーナスを没収し、警告書を2通。秘書室の他のメンバーには、それぞれ警告書を1通ずつ」神崎創映の規定では、1年以内に警告書が3通累積すると解雇される。
そして、1年の有効期限が過ぎても、警告書を受けた事実は記録に残り、将来他の会社に転職する際の大きな汚点となる。
神崎創映の警告書制度を知らない会社はほとんどない。