「なかなかいいね」神崎卓礼は心の中でますます誇らしく思った。
道乃漫と知り合えば知り合うほど、理解が深まれば深まるほど、彼女のことを高く評価するようになった。
「普通の人なら、面接に合格したら、それで万事解決だと思うだろう。このケースは自分には任されないだろうと思って、自分には関係ないと考えるはずだ。しかし、チャンスは常に準備のある人にやってくるものだ」神崎卓礼は自分の賞賛の気持ちを少しも隠さず、輝く目で道乃漫を見つめた。
彼の好きな女の子は、こんなにも優秀なのだ。
彼の隠すことのない賞賛のまなざしは、どんな言葉での褒め言葉よりも道乃漫の頬を赤らめさせた。
「ちょっと待っていて」神崎卓礼は電話をかけ、人を呼んで弁当箱を片付けさせ、テーブルを綺麗に拭かせた。
そして道乃漫の隣に座り、二人の前で書類を開いた。「君の考えを聞かせてくれ」