「なかなかいいね」神崎卓礼は心の中でますます誇らしく思った。
道乃漫と知り合えば知り合うほど、理解が深まれば深まるほど、彼女のことを高く評価するようになった。
「普通の人なら、面接に合格したら、それで万事解決だと思うだろう。このケースは自分には任されないだろうと思って、自分には関係ないと考えるはずだ。しかし、チャンスは常に準備のある人にやってくるものだ」神崎卓礼は自分の賞賛の気持ちを少しも隠さず、輝く目で道乃漫を見つめた。
彼の好きな女の子は、こんなにも優秀なのだ。
彼の隠すことのない賞賛のまなざしは、どんな言葉での褒め言葉よりも道乃漫の頬を赤らめさせた。
「ちょっと待っていて」神崎卓礼は電話をかけ、人を呼んで弁当箱を片付けさせ、テーブルを綺麗に拭かせた。
そして道乃漫の隣に座り、二人の前で書類を開いた。「君の考えを聞かせてくれ」
道乃漫は頷いた。「二つの案を考えましたが、私は第一案の方が良いと思います。もし受け入れられるなら、森田林さん自身に選んでもらった方が、より受け入れやすいと思います」
道乃漫は順序立てて自分の案について説明し始めた。
彼女は病院にいた時に既に二つの案を書き上げていたが、神崎卓礼がこのケースを突然テストとして彼女に任せるとは思っていなかったため、来る時に書類を持ってきていなかった。
幸い、このケースが自分に任されるとは事前に知らなかったものの、学習の機会を逃さないという原則に基づいて、真剣に企画案を完成させ、何度も推敲を重ねて、すべての細部まで完璧に把握していた。
そのため、神崎卓礼に説明する際も、完全に原稿なしで、筋道立てて、抜け落ちる部分なく説明することができた。
彼女の説明から、神崎卓礼自身も道乃漫が裏でどれほどの努力を重ねたかを見て取ることができた。
「素晴らしい、私も第一案がいいと思う」神崎卓礼は頷き、道乃漫を見つめながら、目に浮かぶ賞賛の色がますます濃くなった。
彼の助けがなくても、彼女は自分の実力で神崎創映に入ることができたのだ。
これこそが彼が目をつけた女の子なのだ!
神崎卓礼は藤井天晴を呼び入れた。「森田林に電話をかけてくれ」
「後で森田林さんに案について説明してもらえないかな?」神崎卓礼は道乃漫に尋ねた。
「もちろん問題ありません」道乃漫は答えた。