148 中にウイルスが入っている

葉月星は腕が重くなり、高坂临翔のリゾートホテルで遊べることを思い出し、この書類の山を見ながら歯を食いしばって頑張った。

「この書類、こんなに多いから、お昼は外に食べに行かないわ。さっき私を食事に誘うって言ってたでしょう?」葉月星は遠慮なく言った。

大澤依乃は頷いて、「どこの店がいい?デリバリーを頼むわ」と言った。

「争寿司にしましょう。仕事しながら食べられるし、便利だわ」葉月星は指定した。

大澤依乃は心の中で冷笑した。何が便利だ、得しようとしているだけじゃないか。

高いものばかり欲しがって。

でも彼女はこの程度の出費など気にもしていなかった。葉月星のような目先の利くような人間だけが、こんなにも醜い食べっぷりを見せるのだ。

道乃漫は神崎卓礼のオフィスから戻ってきて、葉月星がパソコンに向かって奮闘し、机の上には元々大澤依乃の机にあった書類が積まれているのを見て、思わず笑みを浮かべた。