149 見張りをしてくれ、誰にも見られないように

道乃漫のやつ、今度こそ死なないとは思えないわ!

「こ...これ、他のパソコンに影響が出るんじゃないかしら。会社のパソコンは全部ネットワークでつながってるのよ。もし他のパソコンにも影響が出たら、損失が大きすぎるわ」葉月星は大澤依乃の計画を知り、躊躇した。

これは重大な問題だ。もし見つかったら。

大澤依乃には後ろ盾があるから問題ないだろうが、自分は終わりだ。

その時、誰も助けてくれないだろう。

大澤依乃は顔をしかめ、不機嫌そうに言った。「なんでそんなに臆病なの?どうして他のパソコンに影響が出るわけ?これは私が高額を払って有名なハッカーに作ってもらったものよ。道乃漫のパソコンにしか影響しないわ。道乃漫が電源を入れたら、中身が全部壊れるだけ。何に影響があるっていうの」

「そう...なの」葉月星はまだ不安そうだった。

すると大澤依乃はUSBメモリを彼女の目の前で振りながら、「あなたが行って、これを道乃漫のパソコン本体の後ろに差してきて」

会社のパソコン本体は、前面にUSBポートが2つ、後ろにも2つ隠れている。後ろに差せば、道乃漫も気付かないだろう。

「どうして私がやらなきゃいけないの?」葉月星は慌てて大きく後退した。「これはあなたが自分でやってもいいでしょう。今オフィスには誰もいないから、私...私が見張りをするわ」

そう言って、葉月星は入口の方へ走ろうとした。

大澤依乃は手を伸ばして葉月星を引き戻し、彼女の慌てた顔を見て冷笑した。「葉月星、あなたは今や私と同じ船に乗ってるのよ。私にUSBを差させて、自分は手を引いて傍観者になれば、無関係でいられると思ってるの?もし何かあったら、見張り役だったあなたも共犯よ」

葉月星は驚いて大澤依乃の手を振り払った。「あ...あなた、どうしてこんなことするの?私があなたを友達だと思ってたのに!」

「友達?」大澤依乃は嘲笑った。「あなたは私に取り入って、私から得られる利益や特典が欲しかっただけでしょう?何を演じてるの。あなたも分かってるし、私も分かってる。お互い分かってて言わなかっただけよ。こんな時になって、そんな建前はいいわ」

葉月星の顔は真っ赤になった。確かに大澤依乃が自分に対して本当に心から親しくしているとは思っていなかった。