葉月星は慌てて駐車場に走り、辺りを見回して人がいないのを確認すると、素早く大澤依乃の車に乗り込んだ。
「なんで私を呼び出したの?電話で話せばいいじゃない。誰かに見られたら、私たちが何か企んでいると思われちゃうわ。私は——」
「あなたは実際に私と共謀しているのよ、他人が思うまでもないわ」大澤依乃は冷たく遮った。「葉月星、思い出させてあげましょうか。道乃漫のパソコンにウイルスを仕掛けたとき、そのウイルス入りのUSBを差し込んだのはあなたよ。私の携帯にはその動画が残っているわ」
「あなた——!」葉月星は大澤依乃がこれほど狡猾で、証拠まで撮っていたとは思わなかった。
大澤依乃は冷笑した。「どうしたの?私が必要な時は取り入って、今は私が退職したからって軽く見てるの?言っておくけど、私が神崎創映にいなくても、私の父は大澤書記よ!」