神崎創映から解雇されたら、たとえ大澤書記の娘であっても、どこに行っても、この履歴書は良く見えないだろう。
大澤依乃は最上階まで駆け上がり、神崎卓礼のオフィスに入ろうとドアを押した。
今回は秘書室のスタッフが前回の教訓を活かし、誰も大澤依乃を入れようとせず、すぐに彼女を止めた。「大澤さん、社長は会議中です。」
「どけ!」大澤依乃は止めようとした矢崎芳彤を押しのけた。
怒りのせいなのか、大澤依乃の力は異常に強くなっていた。
彼女は「バン!」という音を立てて神崎卓礼のオフィスのドアを開け、神崎卓礼がソファに座り、向かい側には芸能人部、制作部、財務部のマネージャーが座っているのを目にした。
突然の物音に、全員が振り向くと、大澤依乃が突進してきた。「神崎兄、本当に私を辞めさせるの?」