「そうよね!」葉月星は慌てて同意した。
***
翌日、道乃漫が会社に来ると、オフィスが意外なほど賑やかだった。
「今回の南音チャリティーナイトには、私たち広報部からも一人、武田部長と一緒に参加できるって聞いたわ」夏川夢璃は羨ましそうな表情を浮かべた。
「ええ、うちの芸能人も大勢行くから、現場で何か突発的な事態が起きた時のために、広報部から誰かが同行して、すぐに対応できるようにするの」柳田姉は頷いた。彼女は以前参加したことがあった。
「一昨年は橘兄で、去年は柳田姉だったけど、今年は誰が行くのかしら?」夏川夢璃は期待に満ちた表情で、明らかに行きたがっていた。
彼女は、自分にはかなりチャンスがあると思っていた。
オフィスのベテランは皆行ったことがあり、残るのは彼女と葉月星、高橋勉真だけだった。
道乃漫と大澤依乃は新入社員で、試用期間もまだ終わっていないため、このような大きな場には連れて行かれないはずだった。
高橋勉真は冷笑して、「お前には回ってこないよ」と言った。
「高橋勉真!」夏川夢璃は怒って言った。「私があなたに何をしたっていうの?いつも私のことを目の敵にして!」
「まあまあ、みんなチャンスはあるわよ。今年じゃなくても来年はあるし、順番に回ってくるのよ。こんなことで怒る必要なんてないでしょう?」柳田姉は頭を振りながら、二人を引き離した。
葉月星も憧れの表情を浮かべて、「南音のチャリティーナイトは、いつも芸能界最大のイベントの一つですよね。毎年、国内のスーパー一流スターも、どんなに忙しくても参加して、地位を競い合ったり、寄付金を競い合ったり、毎年大きなニュースになりますよね。柳田姉、橘兄、以前参加された時、現場はどんな感じでしたか?どれくらい盛大だったんですか?」
柳田姉が口を開こうとした時、大澤依乃が傲慢に言った。「そんなものよ。私は毎年参加してるわ。トップスターの塩見流华は良い人で、謙虚で礼儀正しくて、全然威張らないけど、すごくオーラがあるの。新進気鋭の一流スター柳田沐蓝は、去年はまだ準一流だったのに、その時からもう調子に乗ってたわ。そうそう、今はもう落ち目の道乃琪もいるわ」