232 家族に紹介したい

「北城兄が林初乃と恋愛していた時、神崎大婆様がそれを知って、家の羽はたきを持って卓兄を追いかけ回したの。その後、卓兄が私たちに会った時は、座ることもできないほどだったわ!」

その光景があまりにも鮮明で、道乃漫の頭の中で映画のように再生された。

神崎卓礼のような清風明月のような姿が、神崎大婆様に羽はたきで追いかけられ、耳をひねられる様子を想像すると、笑い涙が出てきた。

「今は家に入れるようになったんだ!」神崎卓礼は胸を張って、とても誇らしげに道乃漫の手を握り、まるで自分の心の支えを掴むかのように言った。「僕は大爺様と大婆様、そして両親にも話したんだ。今は彼女がいる身なんだってね!」

彼女ができたことで、家での立場も上がるはずだ!

南條景衡は残念そうに首を振った。「僕と苡安がもうすぐ結婚するから、その時に神崎大婆様に話して、卓兄にもう一度お仕置きをしてもらおうと思っていたのに。まさか卓兄が恋人ができるなんて!」