「大それたことは言えませんが、このチャンスを得た以上、賞を取って帰りたいと思います」道乃漫は口元に笑みを浮かべ、目は輝いていた。傲慢さではなく、挑戦への意欲に満ちていた。
神崎卓礼は心が動き、彼女のその自信に満ちた向上心が大好きだった。
「お腹いっぱい?」神崎卓礼が突然尋ねた。
道乃漫は彼の下心を察して、「まだです」と答えた。
「じゃあ、食べさせてあげよう」そう言いながら、神崎卓礼は道乃漫を膝の上に抱き上げた。
道乃漫:「……」
どうしてこんな展開に?
「もう満腹です!」さっきはこういう展開を避けるために言い訳したのだが、実際にはもう満腹だった。
「本当に満腹?さっきはまだだって言ったじゃないか?」神崎卓礼は彼女を腕の中に抱き寄せ、意味ありげに笑った。
道乃漫は歯ぎしりしながら怒った。この男、分かっていて聞いているんだ!