221 社長も皆と一緒に行く

「ええ、毎年のゴールデンフィンガー賞は、私たち部署の枠以外に、社長の手元にも追加の枠が一つあるんです。武田部長が私の名前を挙げなかったので、社長が自分の枠で私を推薦してくれたんです」と道乃漫は説明した。

「それは良かったわ!」柳田姉は心から道乃漫のために喜んだ。

誰も神崎卓礼と道乃漫の間に何か関係があるとは思わなかった。彼らは自然と、道乃漫の能力は誰もが認めるものだと考えていた。

そして道乃漫は森田林のカムバックを担当し、神崎卓礼が直接目を通していた。

おそらく森田东進の助けもあったのだろう。

「きっと森田会長も社長に話をして、あなたにこのチャンスを逃してほしくないと思ったんでしょう」と橘兄も慰めるように言った。

彼らは皆、道乃漫が今年最高のタイミングを逃してしまったことを残念に思っていた。