道乃漫も一緒に行くことにした。神崎卓礼のために自分で栄養スープを作ってあげたかったからだ。
柳澤叔母の料理の腕前は悪くないが、道乃漫と比べるとまだ少し劣っていた。
柳澤叔母と市場へ行って雌鶏を一羽買った。この琉球群岛の小さな町には良いところが一つあって、それは野生のキノコや滋養強壮の薬材が特に豊富なことだった。
食材を買い揃えてから、柳澤叔母とホテルのキッチンへ向かった。
柳澤叔母はキッチンを借りる際、自分で食材を買ってきたものの、ホテルのキッチン使用料も支払った。
柳澤叔母はキッチンのスタッフとすでに顔なじみで、かなり仲が良さそうだった。
入るなり調理師や見習いたちに挨拶をすると、若い見習いたちは笑顔で「柳澤叔母、いらっしゃい!」と声をかけた。
「今回はどうして綺麗なお姉さんを連れてきたんですか?」十七、八歳くらいの見習いが尋ねた。