道乃漫も一緒に行くことにした。神崎卓礼のために自分で栄養スープを作ってあげたかったからだ。
柳澤叔母の料理の腕前は悪くないが、道乃漫と比べるとまだ少し劣っていた。
柳澤叔母と市場へ行って雌鶏を一羽買った。この琉球群岛の小さな町には良いところが一つあって、それは野生のキノコや滋養強壮の薬材が特に豊富なことだった。
食材を買い揃えてから、柳澤叔母とホテルのキッチンへ向かった。
柳澤叔母はキッチンを借りる際、自分で食材を買ってきたものの、ホテルのキッチン使用料も支払った。
柳澤叔母はキッチンのスタッフとすでに顔なじみで、かなり仲が良さそうだった。
入るなり調理師や見習いたちに挨拶をすると、若い見習いたちは笑顔で「柳澤叔母、いらっしゃい!」と声をかけた。
「今回はどうして綺麗なお姉さんを連れてきたんですか?」十七、八歳くらいの見習いが尋ねた。
この辺鄙な町では、この年齢の学生の多くが進学せずに仕事を探していた。
柳澤叔母は笑って叱った。「この生意気な!若いくせに口が達者になって。こちらは道乃さんよ。私の雇い主で、『貪狼作戦』の撮影クルーの俳優さんなの」
「ああ、大スターだったんですね。だから、こんなに綺麗なんですね!」
道乃漫は慌てて手を振った。「違います、私は新人です」
道乃漫は柳澤叔母について彼女たちのために空けられたコンロの前に立った。道乃漫が自ら夕食を準備したいと言ったので、柳澤叔母は手伝いをすることになった。
傍らの若い見習いは驚いて言った。「道乃さんが自分で作るんですか?」
彼らは大都会の若い女性はめったに料理をしないと聞いていた。
しかも道乃漫は若くて、俳優だ。彼らにとって、演技をする人は皆スターで、料理ができるなんて本当に驚きだった。
「道乃漫でいいわ。そんなに改まらなくても」道乃漫は笑いながら言った。すでに手際よく袖をまくり、エプロンを付け、鶏の腹を裂いて内臓と血を処理していた。
彼女の動きが手慣れているのを見て、明らかに初心者ではないことがわかり、見習いたちは驚いた。
「本当に料理ができるんですね!」
柳澤叔母は笑って言った。「なんて言い方をするの!」
相手は頭を掻きながら、照れ笑いをして言った。「ただ、大都会の若い女性は、あまり料理をしないって聞いただけです」