352 気力充填

すべてを神崎卓礼に頼るなら、彼はとても疲れてしまうでしょう。それは可哀想ではありませんか?

彼女もそんな自分を軽蔑していました。そんな彼女は、寄生虫と何が違うのでしょうか?

ただ依存するだけで、何事も神崎卓礼の後ろに隠れ、すべての問題とプレッシャーを神崎卓礼に押し付けていました。

神崎卓礼がどんなに優秀でも、疲れる時はあるはずです。

それに、彼が優秀だからといって、当然のように彼にすべてを背負わせるわけにはいきません。

彼の強さは、彼女の弱さの言い訳にはなりません。

彼女は無能な人間ではありません。

彼を愛しているからこそ、彼に苦労をかけたくない。むしろ、彼の負担を分かち合い、彼の生活をより楽にしてあげたいのです。

大婆様は自分でも気づいていませんでしたが、今は嬉しさのあまり口角が耳まで上がっていました。

道乃漫は自立していて、強く、ヒモのような存在ではありません。

このような娘こそ、我が家に、神崎卓礼に相応しいのです。

道乃漫の言葉からも、彼女が神崎卓礼のことをとても大切に思っているのが分かります。

彼の強さゆえに、何でもできると思っているわけではありません。

彼女は彼を普通の人として、自分の愛する人として大切にしています。

道乃漫と一緒にいれば、神崎卓礼はきっとよく面倒を見てもらえるでしょう。

今になって大婆様は気づきました。以前の彼女が神崎卓礼のパートナーに求めていた「まじめさ」だけでは、実は足りないということを。

まじめでも能力がなく、素直すぎて、弱くて、いつも神崎卓礼に守ってもらわなければならないような人では、神崎卓礼の助けになることはできません。

問題が起きれば神崎卓礼の後ろに隠れ、彼に一人で立ち向かわせる。それを想像するだけでも孫が可哀想でなりません。

幸い、道乃漫はそういう人ではありません。

村上舟翔への対処を見ただけでも、痛快でした。

そして事後の態度も、とても凛々しかったです。

村上舟翔のファンに向かって公然と宣言しました。私がやったことです。できるものなら、私に向かって騒ぎ続けてみなさい。

あなたたちが私に騒ぎを起こせば、村上舟翔が代償を払うことになります。

あなたたちが騒げば騒ぐほど、村上舟翔はより悲惨な目に遭うでしょう。