349 威風堂々

そう言うと、彼女はグループから退出した。

一人が先頭を切ると、次々と多くの人が退出していった。

別れの言葉を残す人もいた。「知ってる?今じゃ外で村上舟翔のファンだとは言えないわ。恥ずかしすぎる」

そう言って、退出した。

何も言わずに静かに去っていく人もいた。

元気だったグループは、一気に閑散としてしまった。

「退出する人たちなんて放っておけ!退出した人たちは舟翔の本当のファンじゃない。舟翔を好きになる資格なんてないわ!」

「そうよ、私たちは絶対に踏ん張って、舟翔が出てくるのを待つわ!」

「麻薬を使ったからって何?彼が使うのは勝手でしょ。他人に迷惑かけてないじゃない!」

「みんな不思議に思わない?昨日道乃漫を叩いたばかりなのに、その夜から舟翔がずっとトラブルに巻き込まれてる。最初は神崎創映の前での動画が流出して、それから麻薬使用で通報されたのよ」

「そうね!そう考えると、本当に偶然すぎるわ!」

「偶然じゃないわ、これは道乃漫がやったのよ!」

「行こう、道乃漫のところへ!舟翔が出てこないなら、あの女も楽な思いはさせないわ!」

そうして、大勢のファンが道乃漫のTwitterに押し寄せた。「道乃漫、あなたが舟翔を陥れたのね。逃げ隠れしないで出てきなさい!」

「臆病者!やったことに責任を取れないの!」

「舟翔を陥れたことは許さないわよ!」

道乃漫は仕事中だったが、渡邉梨子がQQで個人メッセージを送ってきた。「道乃漫、あなたのTwitterが炎上してるわ」

「え?」道乃漫は返事をした。「見てみるわ」

「村上舟翔のファンたちがあなたをトレンド入りさせたわ」と渡邉梨子は言い、スクリーンショットを送った。

道乃漫は笑った。いいじゃない、映画がまだ公開されてないのに、彼女の話題性は橘水東を超えていた。

Twitterを開いてコメントを見た道乃漫は少し考えてから、事件後初めての投稿をした:「私がやりました。認めないことなんてないわ。村上舟翔がファンを扇動して私を叩くなら、私の報復も覚悟しないとね。そう、これは報復よ。私は昔から気が短いの。何かしないと、プロらしくないでしょう?逃げる?私は逃げたことなんてないわ。村上舟翔のファンの皆さん、よく聞いて。もしこれ以上騒ぐなら、私は村上舟翔の人生を永遠に台無しにできるわ。よく考えなさい」