「上の人が真実を言ってるわ」
「かっこいい!これからは道乃漫のファンになるわ!」
誰も予想していなかったが、道乃漫がこんなにも堂々と反論し、そのかっこよさで大量のファンを獲得することになった。
彼女のTwitterのフォロワー数は、10万人から一気に70万人まで増加した。
渡邉梨子たちは呆然としていた。「道乃漫、これはどういう作戦なの?」
「私に聞かないで、私自身も信じられないわ」道乃漫は呆然と見つめながら言った。「純粋に彼女たちに反論したかっただけで、誰かが私をフォローしてくれるなんて全く考えてなかったわ」
道乃漫は苦笑いしながら、「信じられないかもしれないけど、私は純粋にあのファンたちが気に入らなかっただけよ」
柳田姉はまだ混乱した様子で首を振った。「ネットユーザーの心なんて誰にもわからないわね。この一連の展開には本当に感服したわ」
他人のファンを脅して、自分のフォロワーを増やした人なんて見たことがない。
***
道乃漫の脅しが効いたのかどうかはわからないが、まだアンフォローしていない村上舟翔の熱狂的なファンたちは、もう道乃漫に絡むことはおろか、『貪狼作戦』の公式Twitterにコメントを残すことすらできなくなっていた。
道乃漫が怒って、村上舟翔を完全に出られなくしてしまうのを恐れていたからだ。
これらの若いファンたちには、そんな複雑なことはわからない。ただ道乃漫のこの一連の行動で、村上舟翔が拘置所に入れられてしまったことだけを見ていた。
彼女たちの目には、道乃漫は既に大魔王のような存在となっていた。
手を出すのは怖い、怖すぎる。
そのおかげで、道乃漫は土曜日まで平穏に過ごすことができた。
神崎卓礼は木曜日にハリウッドへ商談に行っており、来週まで戻ってこない。
道乃漫は一人で服を買いに行くことにした。『貪狼作戦』の初公開が迫っているのに、彼女の普段着は仕事用のスーツか私服のカジュアルウェアばかりで、初公開に相応しい服が一着もなかったからだ。
やはり初公開なのだから、それなりの服装をしなければならない。
そこで土曜日、道乃漫はあるショッピングモールにやってきた。
このショッピングモールには、高級ブランドからプレミアムブランドまでが揃っていた。