350 出会い

「上の人が真実を言ってるわ」

「かっこいい!これからは道乃漫のファンになるわ!」

誰も予想していなかったが、道乃漫がこんなにも堂々と反論し、そのかっこよさで大量のファンを獲得することになった。

彼女のTwitterのフォロワー数は、10万人から一気に70万人まで増加した。

渡邉梨子たちは呆然としていた。「道乃漫、これはどういう作戦なの?」

「私に聞かないで、私自身も信じられないわ」道乃漫は呆然と見つめながら言った。「純粋に彼女たちに反論したかっただけで、誰かが私をフォローしてくれるなんて全く考えてなかったわ」

道乃漫は苦笑いしながら、「信じられないかもしれないけど、私は純粋にあのファンたちが気に入らなかっただけよ」

柳田姉はまだ混乱した様子で首を振った。「ネットユーザーの心なんて誰にもわからないわね。この一連の展開には本当に感服したわ」

他人のファンを脅して、自分のフォロワーを増やした人なんて見たことがない。

***

道乃漫の脅しが効いたのかどうかはわからないが、まだアンフォローしていない村上舟翔の熱狂的なファンたちは、もう道乃漫に絡むことはおろか、『貪狼作戦』の公式Twitterにコメントを残すことすらできなくなっていた。

道乃漫が怒って、村上舟翔を完全に出られなくしてしまうのを恐れていたからだ。

これらの若いファンたちには、そんな複雑なことはわからない。ただ道乃漫のこの一連の行動で、村上舟翔が拘置所に入れられてしまったことだけを見ていた。

彼女たちの目には、道乃漫は既に大魔王のような存在となっていた。

手を出すのは怖い、怖すぎる。

そのおかげで、道乃漫は土曜日まで平穏に過ごすことができた。

神崎卓礼は木曜日にハリウッドへ商談に行っており、来週まで戻ってこない。

道乃漫は一人で服を買いに行くことにした。『貪狼作戦』の初公開が迫っているのに、彼女の普段着は仕事用のスーツか私服のカジュアルウェアばかりで、初公開に相応しい服が一着もなかったからだ。

やはり初公開なのだから、それなりの服装をしなければならない。

そこで土曜日、道乃漫はあるショッピングモールにやってきた。

このショッピングモールには、高級ブランドからプレミアムブランドまでが揃っていた。