今度は道乃漫がマイクを受け取る番となり、これほど多くの人々の前で、彼女はきっと緊張するだろう。
深く息を吸って、「皆さん、こんにちは。私は道乃漫です」と言った。
思いがけないことに、以前の村上舟翔のおかげで、会場には道乃漫を知っている人もいた。
拍手の中に、「道乃漫!道乃漫!」という声が散発的に混ざっていた。
「彼女が道乃漫だ!」
「とても綺麗だね!」
「見た目からは、こんなに強いとは思えないね」
道乃漫:「……」
白泽霜乃の番になった時、応援に来た芸能人たちの形式的な拍手以外は、観客からのまばらな拍手で、その差は歴然としていた。
白泽霜乃の顔が曇った。
観客の中に隠れ、わざと前の方ではない席を4枚取った神崎大婆様は、白石诺乃に小声で言った:「やはり観客の目は確かね。みんな白泽霜乃が良い人間じゃないことを知っているわ」