367 極品は毎日いる

村上舟翔を踏みつけたばかりで、一人で相手のファンを言い負かしてしまった。

記者たちはまだ彼女にインタビューしたがっていた。

それに、道乃漫はカメラを遮ることもなく、カメラに映り込むこともなく、彼らの仕事を邪魔することもなかったので、彼らの道乃漫に対する印象もとても良かった。

一時、道乃漫を呼ぶ声も多くなってきた。

白泽霜乃だけがレッドカーペットの真ん中に立ち、顔を曇らせて非常に気まずい様子だった。

誰も彼女に構わなかったからだ!

「白泽さん、前に進んでください。レッドカーペットを続けなければなりません」レッドカーペットの秩序を維持する警備員が来て、丁寧に白泽霜乃に進むよう促した。

白泽霜乃は顔を曇らせたまま動かず、「私たちの撮影チームの他のメンバーもまだ行っていないわ、待つわ」と言った。

でも、みんな写真撮影で忙しいのに、白泽霜乃がここにいるのは邪魔じゃないか!

「では、少し前に進んでください」警備員がまた言った。

白泽霜乃は唇を一文字に結び、一歩前に出て止まり、ポーズを取り続けた。

警備員:「……」

はぁ、厄介な人は毎日いるけど、今夜は特に手強いな。

幸い、プレミア上映会は定刻通り始まらなければならないので、橘水东たちは記者たちの引き留める声の中、それでも立ち去った。これにより白泽霜乃も仕方なく一緒に去らざるを得なかった。

「初めてのレッドカーペット、どうだった?」橘水东は笑いながら尋ねた。

「緊張で死にそうでした。さっきまで呼吸もままならなかったです」道乃漫は今でも体中が緊張で熱くなっていて、真冬に薄着でいることによる寒さも感じていなかった。

「ハハハ、慣れれば大丈夫だよ。君の振る舞いは堂々としていたと思うよ!」村上彦书が近づきながら言い、同時に白泽霜乃をちらりと見た。

彼らはさっきカメラに向かって忙しかったとはいえ、白泽霜乃の行動を見逃してはいなかった。

道乃漫と比べると、白泽霜乃は本当に笑止だった。

橘水东でさえ、影帝の地位にいながら、後輩が無礼にも自分のカメラアングルや位置を奪うことを望まなかった。

芸能界は地位だけでなく、年功序列も重要だ。

どちらで計算しても、橘水东は高木武一の次に位の高い人物で、白泽霜乃に対してもかなり不快に思っていた。