357 私に見に来て欲しい?

「大丈夫、大丈夫」と大婆様は言いました。「別に大きな賞を取ろうとしているわけじゃないのよ。自分が好きなことをして、日々の楽しみにするのも素晴らしいことだわ。慣れてきたら、もし興味があれば、教室を開いて子供たちに教えることもできるわよ」

道乃漫は大婆様の提案がとても良いと思いました。そうでなければ、夏川清未は家で何もすることがなく、買い物と料理以外は彼女の帰りを待つだけで、本当に寂しいものでした。

彼女の好きなことができれば、人生がより充実したものになるでしょう。

夏川清未にお金を稼がせようというわけではありません。今は大金持ちではないものの、以前のように経済的に苦しいわけでもありません。

家には道乃漫と夏川清未だけで、実際にはかなり経済的に余裕がありました。

少なくとも道乃漫は高級ブティックで自分の服を買うことができ、しかも心配することもありませんでした。

これは以前なら、想像もできないことでした。

だから、夏川清未は授業料を取る必要はありません。夏川清未が好きで、やる気があれば、バイオリンが好きな子供たちに指導するだけでも良いのです。

大婆様と白石诺乃はそこであまり長居せずに帰っていきました。

帰った後、夏川清未は笑顔で言いました。「周村叔母と白石姉はとても素敵な方たちね。あなたたちには縁があるのね、琉球群岛での撮影で出会えるなんて」

道乃漫は笑って言いました。「実は、偶然の出会いではないの」

「えっ?」夏川清未は不思議そうでした。

「あのお年寄りは神崎卓礼のお祖母様で、叔母様は彼のお母様なの」道乃漫は二人との出会いの詳細を夏川清未に説明しました。

夏川清未は落ち着かない様子で「私、さっき失礼なことは言わなかったかしら?」

「ないわよ、むしろ上手くいったわ」道乃漫は夏川清未の腕を抱きながら言いました。「事前に言わなかったのは、あなたが緊張するのを避けたかったからよ。彼女たちの身分を知らなかったからこそ、素直に対応できて、私たちの家の本当の姿を見てもらえたの。それで良かったわ」

夏川清未は道乃漫の言葉を聞いて安心し、「私はただ、彼女たちに悪い印象を与えて、あなたに迷惑をかけるのが心配だったの」