372 シーンが全てカット

しかし、イヤホンからの催促に、司會者は逆らうことができず、ぎこちない笑顔を保ちながら「それでは、お話はこれくらいにして、映画をご覧いただきましょう!」と言った。

白泽霜乃は既に笑顔で立ち上がりかけていたが、半分立ち上がったところで、司會者が彼女を無視して映画を始めようとしているのを見た。

白泽霜乃は気まずく固まり、信じられない様子で司會者を見つめ、後に何か言葉があることを期待した。

しかし司會者は真っ直ぐ前を向いたまま降壇し、彼女の視線を全く受け取らなかった。

映画館の照明が全て消え、白泽霜乃は誰かに引っ張られ、仕方なく座り直した。

3Dメガネをかける時も、まだ納得がいかない様子だった。

なぜ道乃漫はあんなに長く壇上にいられたのに、自分の番になると壇上に上がれないのか!