391 興行収入の集計が出た!

高倉社長は心が動いた。こんなに簡単なの?

高倉社長たちも最初は、道乃漫の提案に罠があるかもしれないと思ったが、長年の経験から、こんな事態が起きれば、興行収入は爆発的に伸びることはなく、むしろ下がるはずだと分かっていた。

彼らの予測では、今日の興行収入は最大でも5000万程度だろう。

だから道乃漫がどれだけ自信満々に見えても、高倉社長は彼女のような若造が何か策を弄せるとは思えなかった。

あれこれ考えた末、高倉社長は自分の経験を信じ、道乃漫は虚勢を張っているだけだと判断した。

「よし、白泽霜乃の代わりに承諾しよう」と高倉社長は言った。

道乃漫は眉を上げた。「白泽霜乃の意見を聞かなくていいんですか?彼女の代わりに承諾して、負けた時に、彼女が約束を反故にするのが心配です」

「我々が負けるはずがない!」高倉社長は強い口調で言った。「むしろ君の方が、若くて世間知らずだ。負けた時に認めないんじゃないだろうな!」