393 封殺

「もう決着がついたなら、我が神崎創映の番だな」河野社長は膝の上の埃を払うような仕草をして言った。「今回、白泽霜乃は我が社の芸能人を公然と誹謗中傷し、映画に極めて悪い影響を与えた。映画の宣伝期間中に勝手に映画に不利な発言をしたことで、我々は白泽霜乃に対して正式に内容証明を送り、違約金を請求する」

「なんだと!」高倉社長は激怒した。白泽霜乃は彼の会社の所属タレントなのだ。

「契約書を交わした時点で、明確に記載されていますよ。俳優には映画の全ての宣伝に協力する義務があり、宣伝期間中は映画の宣伝活動に不利な行為や発言をしてはならない。違反した場合は契約に基づいて賠償金を支払うことになっています」藤井天晴はにこやかに言った。「高倉社長、信じられないなら、契約書を確認してみてください」