424 もしもはない

神崎卓礼は言った。彼女が学校に入っても辞職する必要はなく、神崎創映は彼女のポジションをずっと確保しておくと。たとえ彼女が正式に撮影を始めて、両立する時間があまりなくても、広報部の特別顧問という役職を与えることができると。

その時は、確かに毎月基本給は支払われないだろうが、彼女が案件を引き受ける気があれば、引き受けた案件に応じて個別に収入を計算するという。

これは道乃漫と神崎卓礼の強い要望の結果だった。そうでなければ神崎卓礼の意向では、道乃漫のポジションを確保しておいて、彼女は何もしなくても毎月給料が支払われるというものだった。

道乃漫は神崎創映の社長夫人として、少しの特権も持てないのだろうか?

神崎創映は神崎卓礼のものであり、神崎卓礼のものは道乃漫のものだ。だから神崎創映は道乃漫のものであり、何の問題もない。