藤井天晴は肝が震えるほど恐れながら聞いていた。「はい。」
神崎卓礼は一つ一つ説明するのが面倒だと思い、端的に言った。「つまり、これまでの神崎創映による国立演劇大学へのすべての投資と支援を、全て取り消す。」
「全て取り消す?」藤井天晴はついに我慢できずに尋ねた。「全てですか?今後は演劇大学に投資しないということですか?」
「そうだ。もう一度繰り返す必要があるか?」神崎卓礼は冷たく言った。
「いいえ、結構です。わかりました。」藤井天晴はすぐに答えた。
彼は心の中でつぶやいていた。道乃漫は国立演劇大学に入学するのではなかったか?
だから道乃漫がその決断をした後、神崎創映は国立演劇大学への投資を大幅に増やしていた。さらには神崎卓礼が個人名義で演劇大学に行う予定だった投資も含めて。
しかし今、神崎卓礼はそれを全て取り消そうとしている。
藤井天晴は思わずつぶやいた、きっと学校の誰かが道乃漫をいじめたのだろう。
「神崎...神崎若様...」橘校長は呆然としていた。彼は神崎卓礼が怒っていることは知っていたが、まさか投資を全て取り消すとは思わなかった!
神崎創映というビッグスポンサーがいなくなれば、彼らの学校は大打撃を受け、映画芸術学院と競争することなどできなくなる!
他の投資もあるが、ここ数年は主に神崎創映に頼っていたのだ!
柳田主任のこれまで強気だった表情がついに崩れ、後悔と恐怖が見えた。
もし投資が全て取り消されれば、大げさではなく、彼は学校の罪人になるだろう!
彼の唇は震え、最初のような横柄な態度はもはやなかった。
神崎卓礼は電話を切り、冷たく言った。「今後、映像基地計画など二度とない。建設したいなら他を当たれ。どの企業にそれだけの資本と勇気があるか、見てみたいものだ。」
橘校長は気絶しそうになった。
神崎卓礼はあまりにも横暴だった。つまり、神崎創映が建設しないだけでなく、たとえ学校が他の投資先を見つけても、神崎創映は許さないということだ!
神崎創映が倒れない限り、芸能界での支配的地位を保ち、八大名家の一つである限り、彼らの学校は永遠に映像基地を建設できない。
しかし神崎創映が倒れることはあるだろうか?
明らかにない。