453 また一つの強い後ろ盾ができた

高木監督はますます道乃漫のことを気に入り、すぐに言った。「道乃漫、もし良ければ、これからは私のことを高木叔父と呼んでくれないか!君のような義理堅い人に、厚かましくも甘えさせてもらうよ」

「高木監督、そんな——」

「ん?」高木武一は注意を促すように声をかけた。

道乃漫は仕方なく笑って、「高木叔父」と言った。

「そう、それでいい」高木武一は言った。「安心して、私は君の叔父だから、絶対に損はさせない。ギャラのことは、木村成真に話しておくよ」

「はい、ありがとうございます、高木叔父」と道乃漫は言った。

高木武一はこの「高木叔父」という呼び方を聞いて、とても嬉しくなった。

道乃漫には見えなかったが、電話の向こうで高木武一は口元が耳まで裂けるほど笑っていた。

道乃漫に叔父と呼ばせたのは、神崎卓礼との関係があるからではなく、純粋に道乃漫というこの少女が好きだったからだ。