454 謎の自信

「はい、彼が今から他の人を探しに行っても、間に合わないわ」道乃琪は頷いて同意した。

「そうよ！」夏川清翔は得意げに言った。「私はすべて計算済みよ。ちょうどこのタイミングで、彼に同意せざるを得ない状況に追い込んだの」

それに、木村成真はすでに一通り人を探していた。

もし他の人が見つかるなら、道乃琪の出番なんてなかったはずだ。

だから道乃琪はもう唯一の選択肢で、木村成真は同意したくなくても同意するしかない。

「それに、彼は検討すると言ったでしょ？それって資金調達に行ったってことよ！数日後に返事するなんて言ったのは、私たちに脅されて、面子が立たないだけなのよ」と夏川清翔は言った。「いい知らせを待っていればいいわ！」

道乃琪は瞬時に自信に満ち溢れた。

夏川清翔は他のことではかなり抜けているかもしれないが、金儲けに関しては非常に才能があり、道乃琪はこの点では彼女を信頼していた。

そして嬉しそうに木村成真からのギャラアップを待っていた。

***

道乃漫の方では、お粥が煮えたので、それをよそって神崎卓礼に持っていった。

彼女は神崎卓礼を起こし、手で彼の額を確かめると、まだひどく熱かった。

道乃漫はスプーン一杯ずつ彼にお粥を食べさせながら言った。「さっき高木監督から電話があって、木村成真の新しい映画の女優は元々道乃琪に決まっていたけど、道乃琪が直前で変更を要求して、ギャラアップを求めたんだって。だから高木監督が私に連絡してきて、引き受けるかどうか聞いてきたの」

神崎卓礼は「ふん」と鼻を鳴らした。「自業自得だ。目が見えないのか、道乃琪なんかに頼むなんて。もし本当に道乃琪にこの映画を撮らせるなら、国内のすべての映画館で彼の作品を上映させないようにしてやる！」

道乃漫は思わず笑い、スプーンのお粥を少し冷まして神崎卓礼に食べさせた。「彼も仕方なかったのよ、他に引き受ける人がいなかったから」

「それでも道乃琪を選ぶべきじゃない」神崎卓礼はこの点では道理を通さなかった。

「そうね」道乃漫は笑った。

神崎卓礼は道乃漫が差し出したお粥を飲み干し、「高木武一が君に電話したのは何のため？まさか君に引き受けてほしいとでも？」