465 私を摘まんでみる?

河野叔母は目を見開き、はっとして額を叩くと、神崎卓礼を不思議そうに見て、「お客様、ちょっと待っていてください!」

河野叔母は急いで去り、しばらくすると慌ただしく戻ってきて、手にはオカモトゼロワンの箱を持っていた。それを神崎卓礼の手に押し込むと、「お客様、これをお探しだったのではないですか?代理購入の投稿で見たことがあります。超薄型で、コンビニで売っているのを見かけたので、道乃漫さんがいるからと思って、ついでに二箱買っておきました」

神崎卓礼:「……」

この驚きと喜び、複雑な感情が入り混じった気持ちは、本当に言葉にできないほど複雑だった。

神崎卓礼は無表情でその小さなレインコートをポケットに入れ、階段を上がった。

河野叔母と遠野執事は顔を見合わせた。本当にそれを買いに行くつもりだったのだ。