元々は彼女を抱きしめたいだけだったのに、抱きしめているうちに、キスしたくなった。キスだけで、他のことはしないつもりだった。
しかし、キスしているうちに、止められなくなってしまった。
今、道乃漫の手を握り、指先から手首までマッサージして彼女をリラックスさせていた。
「早く寝なさい」道乃漫は言った。もう遅いし、彼は明日早起きしなければならない。
「先に寝て、もう少しマッサージしてあげるから」
彼がこんな風にしていると、道乃漫はもう怒る気にもなれなかった。「数日で良くなるから、早く寝て」
神崎卓礼はそれでもしばらく彼女の手をマッサージし続けてから、道乃漫を抱きしめて眠った。
***
翌日、神崎卓礼は車で道乃漫を学校まで送ってから、会社に戻った。
道乃漫は学校に着くとすぐに担任教員の研究室に向かった。