484 自信は良いものだが、自己愛は違う

「すみません、道乃漫と二人だけで話せますか?」加藤正柏は藤井纱媛たち三人に言った。

藤井纱媛たち三人はまず道乃漫の方を見た。

「あなたとは話すことなんて何もないわ」道乃漫は冷たく言った。「これからは会っても知らない振りをして、私に声をかけないで」

道乃漫はそう言うと、藤井纱媛たちと一緒に立ち去ろうとした。

加藤正柏は素早く道乃漫の手首を掴んだ。「私に会いたくないなら、この学校に来なければいいだろう。たくさんの大学から選べるのに、わざわざここを選ぶなんて、一体何がしたいんだ?」

彼に未練があるのか?

わざわざ道乃琪に対抗するために入学したのか?

「ここまで追いかけてきても、もう二度と一緒になることはない。諦めろ」加藤正柏は言った。

藤井纱媛:「……」

伴田爽子:「……」