第051章 絵里子の"神速"な進歩

一瞬のうちに、橋本奈奈という名前は学校中で有名になり、ほとんどの人が橋本奈奈を知るようになった。

昼食時に食堂に行った時、中学二年生の男子生徒が橋本奈奈の前に立ちはだかり、「ごめんなさい」と言って赤面して逃げ出したため、橋本奈奈は訳が分からなかった。

「ふん」橋本奈奈がどこに行っても人々に認識され、まるで学校のスターのようになっているのを見て、井上雨子は怒り心頭だった。

何が得意になることがあるのか、成績はあんなに下がったのに、まだ他人のことに首を突っ込む余裕があるなんて。

生徒として、学業成績が一番大切なのに。一ヶ月後の中間テストで、前回の実力テストのように橋本奈奈を超えてやる。

担当の先生たちが橋本奈奈にあんなに優しいのは、ただ成績が良いからでしょう。

もし自分が常に橋本奈奈より良い成績を取れば、先生たちは必ず自分の方を好きになって、橋本奈奈のことは好きじゃなくなるはず。