「その通りね」橋本東祐は呆れながらも笑みを浮かべた。家の金を全部使い果たしたとはいえ、先生が長女の勉強を見てくれるなら、喜ばない理由はない。
子供の将来はいくらお金があっても買えないもの。今回の出費は本当に正解だったのかもしれない。
「絵里子は良い子だけど、奈奈だって素晴らしいわ。私の二人の娘は両方とも良い子よ。絵里子、驕らないように、このまま頑張り続けるのよ」橋本東祐は伊藤佳代とは違って、橋本絵里子を褒めながら橋本奈奈を貶めたりはしなかった。
しかし、橋本絵里子がこれほど進歩したと聞いて、橋本東祐は本当に嬉しくて、えくぼが出そうなほど笑顔を浮かべていた。
「お父さん、安心して。私は必ず頑張って成績を落とさないようにして、もっと上を目指すわ」両親から同時に認められ、特に学業の面で認められたことで。