第059章 厳しい叱責

「奈奈さん、あなたの給料は低くないのに、まだ奈奈に仕事をさせているのね。奈奈の成績も悪くないのに、義務教育も終わらないうちにアルバイトをさせるなんて、あなたの家は本当に大丈夫なの?前回、奈奈の妻が長女を付属高校に入れようとして、家のお金を使い果たしたからじゃないの?奈奈さん、昔、木下おじさんが教えただろう、人として実践的でなければならないと。三百六十五の職業にはそれぞれ一位がいる。勉強が向いていないなら、他の道もある。家の財産を使い果たし、もう一人の娘の将来を犠牲にして長女を成功させようとするのは、それでいいのかい?高望みばかりしても意味がない、着実に一歩一歩進むべきだ。何事も分相応にすべきだ。最近の若者は落ち着きがなく、浮ついている。奈奈さん、あなたまでそんな悪い癖がついてしまったのか。忘れるな、あなたは元軍人なのだぞ!」

木下おじいさんに諭すように言われた後、橋本東祐は呆然としていた。

木下おじいさんの言葉は一字一句聞き取れて理解もできたのに、それらが文章になると、なぜか頭が追いつかなくなってしまった。

「木下おじさん、絵里子が付属高校に入れたのは、おじさんが助けてくれたんですか?」しばらくして、橋本東祐は信じられない様子で尋ねた。

「伊藤さんが私のところに来て、電話一本かけてほしいと頼んできた。その後のことは彼女が全部処理したんだ。奈奈さん、私の性格は分かっているだろう。私はこういうことは決してしないんだ。私の息子や娘でさえ、あなたは彼らと一緒に育ったんだから、私が彼らにこういうことをしてやったのを見たことがあるかい?奈奈さん、あの時の木下おじさんがどれほどあなたに失望したか分かるかい?」

木下おじさんはため息をついた。

当時、伊藤佳代が橋本絵里子の件で木下おじいさんに助けを求めた時、木下おじいさんは本当に気が進まなかった。木下おじいさんはこういうことを好まなかったのだ。

実の息子や娘でさえ、自分の力で一歩一歩上がっていくようにさせていたのに、他人の娘のために裏口入学の手助けをするなんて、木下おじいさんは当時、伊藤佳代を断りたかった。

「木下おじいさん、私は知りませんでした」橋本東祐は顔を強く擦った。なんと田中さんは彼に内緒でこんなことまでしていたのか。そうか、絵里子はこうやって付属高校に入れたのか。