生徒は進歩した後、彼女が書いた作文のほとんどは、比較的バランスの取れた態度を維持するようになりました。
橋本奈奈のこの三つの作文の状況は、まさにこのことを示しています。
一方、橋本絵里子の月次試験と中間試験、特に中間試験の作文は最近書いたものですが、先ほどの作文のレベルとは比べものにならないほどの差があります。
橋本絵里子の先生は、橋本奈奈の二枚の国語の試験用紙を黙って読み終えると、顔が青ざめました。
同じ国語の教師として、橋本奈奈の作文を見た橋本絵里子の先生には、すべてが明らかでした。
橋本奈奈の作文のレベルは、非常に安定していました。
橋本奈奈のこの二つの作文を見れば、受賞作が橋本奈奈が書いたものだと誰もが信じるでしょう。
橋本奈奈が書いたと言えば信じられるのに、橋本絵里子の状況を見れば、橋本奈奈が橋本絵里子の作文を写したという主張は誰も信じないでしょう。
しかも、二人は実の姉妹で、同じ屋根の下に住んでいます。
橋本絵里子が気を付けさえすれば、妹の書いた作文を手に入れるのは簡単すぎるほど簡単で、そういう可能性がないわけではありません。
このように比較すると、誰が誰の作文を写したのかは明白で、橋本絵里子の国語の先生でさえ、この時点で嘘をつくことはできません。それは、この国語の先生が資格不足か、専門知識が不適切か、あるいは今日頭を使っていないかのどれかでない限り。
「付属高校の先生、まだ何か言いたいことはありますか?」橋本絵里子の先生のこの態度に、上司も二言はありませんでした。
「いいえ、私たちの監督不行き届きで、このような生徒を選んでしまい、申し訳ありません。」付属高校の先生は急いで上司と木下先生たちに謝罪しました。結局、過ちは付属高校の生徒にあったのですから。
幸い橋本奈奈自身が十分優秀だったからこそ、このような状況下でも大きな不利益を被ることはありませんでした。作文が彼女が書いたものだとしても、橋本絵里子が書いたものだと思われ、彼女が写した方だと見なされる可能性があったのです。
結局、高校生の姉が中学生の妹の作文を写し、しかもそれで賞を取ったなんて、誰が信じるでしょうか。
今回、中学と高校の作文コンテストが一緒に開催されなければ、たとえ橋本絵里子が橋本奈奈の作文を写したとしても、この賞は橋本絵里子のものになっていたでしょう。