第077章 対質

「でも何?」上司は二つの作文を手に取って見ると、確かに、二つの作文の内容は全く同じで、ただ修辞法に若干の違いがあるだけだった。

そして、もう一人の先生の「ただ」が何を指しているのかも、上司には分かった。

高校部で二位に選ばれたこの作文は、中学部の一位の作文よりも少し劣っているように感じられ、むしろこの中学生の作文の方が、文章が洗練されており、より的確な表現がなされていた。

二つの作文が全く同じというのは、何か問題があるに違いない。

しかし、高校生の作文が中学生の作文に及ばないとは、これはどういうことだろうか?

まさか、この二人の生徒の作文は自分で書いたものではなく、代筆者を雇ったのだろうか。違いは、中学生の方が代筆者からより質の高い文章を得たということか?

上司は眼鏡を鼻から外して言った。「すぐにこの二つの作文がどの学校のどの生徒のものか調べて、彼らの担当教師を呼んでください。このような行為は必ず処分しなければなりません。問題を明らかにする必要があります!」