ドアの下から差し込まれた包みの中に、清潔で新品の下着と、古くて羽のない生理用ナプキンが入っているのを見て、橋本奈奈の顔は血が滴り落ちそうなほど真っ赤になった。
橋本奈奈は歯を食いしばってこれらのものを取り替えたが、中のものは替えたものの、外のズボンは……
橋本奈奈が真っ赤な顔で出てきた時、斎藤昇はすでに長い間待っていた。
橋本奈奈を見て、斎藤昇は最初何も言わず、自分の上着を取って橋本奈奈の腰に巻きつけて結んだ。「今日は……早めに帰って休んだ方がいいよ。温かい飲み物を飲んで、その、咳、冷たい水は避けた方がいい。」
ずっと俯いていた橋本奈奈の頭からは煙が出そうだった。斎藤昇が話せば話すほど、橋本奈奈の頭は更に下がり、恥ずかしさのあまり一言も発することができなかった。
「あの、斎藤お兄さん、私、私先に帰ります。」斎藤昇が言わなくても、橋本奈奈は今日これ以上斎藤家にいる顔がなく、ウサギのように素早く斎藤家から逃げ出した。
橋本家に帰るまで、橋本奈奈は自分を殴りたいほど後悔していた。
外側のズボンまで赤く染まり、湿っていたということは、今日座っていた椅子は……
「奈奈、今日は早いね?」ちょうど汚水を捨てに出てきた橋本東祐は、呆然と玄関に立っている末娘を見て言った。「どうして家に入らないの?真冬なのに、玄関で立ってたら寒いでしょう。北西の風が吹いたら具合が悪くなるよ。あれ、奈奈、その服はどうしたの?」
橋本奈奈が男の子の服を身に巻いているのを見て、橋本東祐は緊張し始めた。「奈奈、今日は復習に行ったんじゃなかったの?誰かに会ったの?」
今日、橋本東祐は特別に休みを取って、橋本奈奈の学校の保護者会に行くことになっていた。
この保護者会のおかげで、橋本東祐は大いに面目を施した。多くの生徒の保護者が彼を追いかけるように、普段どのように奈奈を教育しているのか、奈奈は家で普段何をしているのかと尋ねてきた。
しかし、この保護者会で、橋本東祐は今の小さな子供たちでさえ恋愛をすることを知った。勉強が最も重要な時期に、早恋というようなことが起きていた。
もともと、橋本東祐はこれが自分の家とは関係ないと思っていたが、橋本奈奈の服を見たとき、橋本東祐は心配せざるを得なかった。奈奈の勉強が他人家の悪ガキに邪魔されてはいけない。