第231章 現行犯を捕まえる

「この団地の中で斎藤家と付き合いのある人なんて数えるほどしかいないのに、うちの橋本家なんてなおさらよ。奈奈が斎藤家に何しに行くのよ?」今回は、母親として冷たいわけじゃない。あの馬鹿娘の奈奈が自分で死に道を選んだのよ。誰の家でもいいのに、よりによって斎藤家の鍵を複製して、お金まで盗むなんて。

この家には奈奈だけじゃなく、他に三人もいるのよ。

絶対に奈奈に私たち三人の人生を台無しにはさせない。奈奈が自分でした間違いなんだから、死のうが刑務所に入ろうが、この借りは奈奈一人で返すしかないわ!

「奈奈が、本当に...?」雨宮お姉さんは呆然としていた。伊藤佳代が奈奈だと言うなら、間違いないはずだ。それに、奈奈がこんなスカートを持っていたのも覚えている。

まさか、あんなに成績優秀で、挨拶するときもいつも笑顔の奈奈が、こんな泥棒まがいのことをする人間だったなんて。本当に人は見かけによらないものね。まさに奈奈のような子のことを言うんでしょうね。

そのお嬢ちゃんが斎藤家の裏口に着いて、鍵を取り出した時、伊藤佳代はその子が鍵を差し込む前に大股で駆け寄った:「この馬鹿娘!他に真似することないのに、よりによって泥棒なんかして、人の家の鍵を複製するなんて。中に入って何するつもり?物を盗むの?侵入窃盗は犯罪よ、刑務所に入りたいの?!私たち家族の顔に泥を塗って、橋本家を潰すつもり?あなたが成績優秀で、目標が高くて、いいものが欲しいのはずっと分かってたわ。でもあなたのお父さんお母さんにどれだけの力があるか考えなさい。そんなに勉強したのに、分不相応な望みばかり持つの?」