第232章 物が盗まれていない

「お母さん、泣かないで、そんなことしないで。奈奈はきっと一時的に考え違いをして、間違いを犯しただけだと思います。私たちがちゃんと教えれば、奈奈はきっと良くなります。私は前から不思議に思っていました。奈奈のような子供が、どうして二十円も持っているのかと。まさか奈奈が...私が姉として悪かったんです。奈奈がこんなに変わってしまったのに、私は気づきませんでした。もっと奈奈のことを気にかけるべきでした。私がもっと奈奈のことを考えていれば、奈奈も間違った道に進むことはなかったはず、こんな恥ずかしいことをすることもなかったはず。お母さん、私が悪いんです。奈奈だけを責めないでください。責めるなら私を責めてください。私が姉としての責任を果たせなかったんです。奈奈、安心して。どんなことがあっても、私が一緒に背負います。本当に斎藤家に謝りに行くなら、私が付き添います。もし斎藤家が許してくれなくて、刑務所に入れられることになっても、私、私も一緒に入ります!」