第226章 逆に濡れ衣を着せられないように

「泥棒?お母さん、どういう意味?」

「考えてみなさい。もし奈奈の鍵が斎藤家の人からもらったものなら、玄関の鍵をくれないのに、裏口の鍵をくれるはずがないでしょう?もし奈奈が斎藤家に入るのを斎藤家の人が承知していたなら、奈奈は水一杯も飲めないような状況になるはずがないでしょう?私が思うに、奈奈が斎藤家にいたことを、斎藤家の人はおそらく知らないわ。きっと奈奈のあの子が、どこかで斎藤家の鍵を拾って、毎日こっそり斎藤家に忍び込んでいたのよ。これが斎藤家にバレたら、斎藤家が私たち橋本家を許すはずがないわ。あの子ったら、天下の大事を引き起こして、橋本家全体を巻き込もうとしているのよ!もし斎藤家が私たちに責任を追及してきたら、私たち家族四人が奈奈のせいで裁判沙汰になるんじゃないかしら?」