「おじいさん、今年の正月と残りの冬休みは、おじいさんと過ごすべきか、それとも外祖父の家に行くべきか。外祖父も私に会いたがっているんだけど」
白洲隆は顎を上げた。おじいさんが「二心を抱き」、「両方の幸せ」を楽しみたがるなら、自分にも選択肢はある。
おじいさんが外孫を可愛がるだけでなく、外祖父も外孫を可愛がっているのだ。
「馬鹿なことを言うな。もうすぐ正月だぞ。お前の外祖父には孫がいるし、お前には私がいる。騒ぐな、今日だけだ、今日一日だけだ」この手は、白洲おじいさんとしては使わざるを得なかった。
隆一人しか孫がいないのに、もし隆が李家に取られてしまったら、可愛がる孫がいなくなってしまう。
外孫がどんなに良くても、孫には及ばない。
「じゃあ、大野宏は?」白洲隆は執拗に、わざと大野宏の前で聞いた。
白洲おじいさんは困ってしまった。「宏なんて、大野おじいさんも宏に会いたがっているだろう。正月だから、家族みんなで団欒するのが当然だ」
「うん、おじいさん、私たちは家族で、大野宏は彼のおじいさんと家族だ。正月だから、もちろん身内は身内で過ごすべきだよ」白洲隆は満足して、白洲おじいさんの腕を取った。「おじいさん、今日は何か美味しいものを用意したの?お腹すいた。奈奈さん、早く入って。風を食べても腹は膨れないよ」
大野宏の青ざめた顔色を目の端で捉えながら、白洲隆はそのまま白洲おじいさんの腕を取り、親密に大野宏の前を通り過ぎた。
彼と争うつもりなら、自分はおじいさんの実の孫で、大野宏はただの外孫に過ぎない。白洲家の全てを自分から奪おうなんて、夢のまた夢だ!
「お父さん、中に入りましょう。まだ完全に体調が戻っていないから、寒い風に当たるのは良くないわ」橋本奈奈は白洲隆の真似をして、橋本東祐の腕を取って家の中へ向かった。
伊藤佳代と橋本絵里子は明らかに先ほどの状況に衝撃を受けていた。伊藤佳代は密かに橋本絵里子を押し、橋本絵里子はすぐに反応して大野宏の側に寄った。「宏、もうこんな時間だから、私たちも食事に行きましょう。孫も外孫も同じように可愛いのよ。気にしすぎないで、白洲おじいさんはあなたをとても可愛がっているわ」
「うん、一緒に食べに行こう」大野宏は陰鬱な表情を消して、笑顔を見せた。
同じように可愛いだろうか?