「おじいさん、今年の正月と残りの冬休みは、おじいさんと過ごすべきか、それとも外祖父の家に行くべきか。外祖父も私に会いたがっているんだけど」
白洲隆は顎を上げた。おじいさんが「二心を抱き」、「両方の幸せ」を楽しみたがるなら、自分にも選択肢はある。
おじいさんが外孫を可愛がるだけでなく、外祖父も外孫を可愛がっているのだ。
「馬鹿なことを言うな。もうすぐ正月だぞ。お前の外祖父には孫がいるし、お前には私がいる。騒ぐな、今日だけだ、今日一日だけだ」この手は、白洲おじいさんとしては使わざるを得なかった。
隆一人しか孫がいないのに、もし隆が李家に取られてしまったら、可愛がる孫がいなくなってしまう。
外孫がどんなに良くても、孫には及ばない。
「じゃあ、大野宏は?」白洲隆は執拗に、わざと大野宏の前で聞いた。