第318章 お前は何の立場で話している

橋本奈奈は、白洲隆が最近テレビドラマを見すぎて、この台詞が効果的だと思って、そのまま使ってきたのではないかと疑っていた。

「そうだ、今日は二人とも宿題をしっかりやってくれよ。奈奈、パパはちょっと用事があって出かけないといけないんだ」

「パパ、もう年末なのに、何の用事?」橋本奈奈は心配そうに尋ねた。

「前に引き受けた帳簿の計算が終わったから、年末までに届けないといけないんだ。この帳簿があってこそ、彼らも従業員に給料を支払えるからね」橋本東祐は分厚い書類の束を抱え、後部座席に縛り付け、袋で包んで、書類が散らばったり風で飛ばされたりしないようにした。

「パパ、気を付けてね。それと、こういう副業はもうやめてよ。十分でしょう。まさか年末年始も残業するつもりじゃないでしょう?」橋本奈奈はため息をつき、お金を稼ぐために必死な父親を見て心配だった。