第353章 私はまだあなたたちの「橋」になる

橋本家の他の二人のことは、彼は気にしなくてもよかった。

しかし、橋本東祐が自分のことを好きでなければ、橋本奈奈が自分の彼女になることは絶対にありえないだろう。

「大丈夫だよ、すぐそこだから。行こう、叔父さんが送るよ」田中勇は橋本東祐に送らせまいとしたが、橋本東祐は特に真剣に送ろうとして、田中勇に付き添って外に出た。田中勇が去っていくのを見て、橋本東祐は自宅の玄関前にしばらく立っていた。田中勇が振り返ったとき、橋本東祐は特に面白そうに田中勇に手を振った。

橋本東祐のこの行動は、決して田中勇というお客様を重視して見送らなければならないというわけではなく、ただ田中勇が本当に帰ったことを確認したかっただけで、そのために立ち続けていたのだ。

田中勇が帰る時間はまだ良かった。確かにもうすぐ昼食時だったので、橋本家の人々の邪魔をするのは適切ではなかった。大野宏も彼よりはましというわけではなかった。