第376章 絶対の忠誠

橋本奈奈が自分を誤解するのではないかと心配しているのを聞いて、斎藤昇の表情が和らいだ。「まだ良心があるようだな」

「私はもともと良心的よ!」橋本奈奈は不満げにぶつぶつ言った。

「なぜ田中勇が再び来てからじゃないと、私に話さないんだ?」橋本おじさんの話を聞く限り、この田中勇は善意で来たわけではない。奈奈がそれに気付かないはずがない。

橋本奈奈はため息をついた。「田中勇が再び来るということは、白洲おじさんがこの件を解決できなかったということです。私と田中勇についての誤った噂を他人から聞かされる前に、あなたに直接話しておきたかったの。私たちの間に不必要な誤解が生まれないように」

「なかなか理性的だな」斎藤昇の表情がさらに良くなった。「なぜ白洲成木の名前が出てきた?田中勇と白洲成木にはどんな関係があるんだ」