「イケメン、私たちの学校の人じゃないよね?」橋本奈奈は眉をひそめた。彼女はあまり多くの人を知らないし、ましてやイケメンなんて知り合いはほとんどいない。どこから現れた人なのだろう。「彼は自分が誰だと言ったの?」
「言ってないわ」女子学生はうっとりとして首を振った。こんなイケメンに声をかけられるなんて、ナンパとは違うけれど、本当に幸せだわ。
「ありがとう」クラスメイトの夢見るような表情を見て、橋本奈奈はもう彼女に期待するのをやめ、ハンカチを手に取り、真っ赤な鼻を押さえながら教室棟の横の小道に歩いていった。「あの、あなたは?」
橋本奈奈が見てきた男性はそう多くはないが、その質は非常に高かった。
例えば白洲隆は、傲慢で自由奔放、体格は完全に白洲成木から受け継いでおり、まだ高校生だが、大人よりも背が高くがっしりしていた。田中勇にどんな問題があろうとも、少なくとも表面上は明るく温かく、さらには少し儒雅な雰囲気さえ漂わせていた。