第411章　大野家が困った

しかし、高橋岩男は知っていた。今は神様に返すのではなく、橋本奈奈にお礼を言いに来たのだ。

橋本奈奈はしばらく聞いて、ようやく理解した。「なるほど、そういうことだったのね。」

「ありがとう。」高橋岩男は非常に真剣な様子でそう言った。

「うん、少し失礼な質問をしてもいいかしら。本当にそういう状況なら、私にお礼を言うべき人は鈴木香織のはずよ。あなたはどういう立場で私にお礼を言いに来たの？」この高橋岩男は鈴木香織に対して、何か特別な感情を持っているようだった。

「鈴木香織を袋小路に追い込み、頑固にさせたのは私だ。もし彼女が間違った科目を選んで、一生の将来を台無しにしていたら、それは私の責任だ。君の何気ない一言が香織に影響を与え、彼女に正しい決断をさせた。私が昔犯した間違いを正してくれたんだ。だから感謝しているんだ。」